映画 『暗黒女子』
2017年4月1日に公開された映画、『暗黒女子』。
エイプリールフールに “嘘” をテーマにしたこの映画を公開するなんて洒落がきいている。
この映画を、これ以上のイヤミスにはもう出会えないのではないかと思うほど素晴らしい映画だと感じたのは、私もまた登場人物と同じ女子高生だからだろうか。
2017年色々な映画を観たが、これはその中でも抜きん出ていた。
原作は秋吉理香子さんの小説『暗黒女子』、私が観に行こうと思ったきっかけは、もともとイヤミスが好きだということ、主題歌『#hashdark』を歌うCharisma.comのファンであるということ、そしてその時期世間を賑わわせていた清水富美加(現:千眼美子)が主演を務めていたということだった。
正直、あまり期待もせず、主題歌を聴くために観に行くしつまらなくてもまぁいいやぐらいのつもりで映画館に足を運んだ。
真逆だった。
あれほど終わったあとに鳥肌がたった映画は初めてだった。
女子校、しかもミッション系私立の女子校特有の、外の世界から閉じられて、学校内だけが自分たちの世界であるような閉鎖感。その中で形成される、外からは見えず、内側にいる人にしかわからないような登場人物の関係。そしてそこで行われる駆け引き。飛び交う嘘。その年代ならではの青春感。最後のどんでん返し。
ラストまで1秒たりとも見逃せなかった。
そして流れる主題歌『#hashdark』。
世界観、ストーリー、なにもかも素晴らしかった。
見終わったあとに、スッキリとしない何とも言えない後味の悪さを残していく、最高のイヤミスだった。
本当に1000円で観ていいの?もっと払わせて、と思った。
映画が終わっても余韻はさめず、帰りに原作の小説を買って帰った。
いままで様々なイヤミスの小説、ドラマ、映画に触れてきたが、その中でも『暗黒女子』は最高だった。
高校生というこの時に、『暗黒女子』という作品に出会えたことがとても好運で、また、ここまでの作品を観てしまうと他の作品で満足出来なくなるということが少し悲しく感じた。